どうもです。
普段は中高齢者を中心にトレーニングを行っていますが、その中で認知症のお客様もトレーニングをおこなっています。お客様の症状として軽度~中等度です。
今回は実際に認知症の方と接し、認知症からくる意欲や筋力の低下について、ゆる太の経験からお話していきたいと思います。
認知症からくる意欲低下と筋力低下
認知症というイメージは “物忘れ” が一般的ですが、その他にも ”意欲の低下” があります。
意欲が低下するとは
分かりやすく言うと、生活動作が億劫になるです。
「なんかめんどくさいな」
「今日は気が乗らないな」
みたいな経験が人生の中で一度や二度はあると思いますが、そんなことが頻繁に表れてきます。
実際の例であげると、
着替えない・歯を磨かない・お風呂に入らない・掃除ができない・洗濯ができない・料理ができない・買い物にいけない(外出しない)、など生活動作をだんだんとやらなくなる(できなくなる)
このように生活動作に対しての意欲が低下している状態ですね。
さらに並行して、体を動かさなくなるので筋肉を使わなくなり筋力が低下します。
筋力が低下すると転びやすく長く歩くことが出来なくなり、車いすや寝たきり生活になる可能性も高くなります!
身近に認知症になっている方がいらしたら、もしかして似たような経験されている人もいるかもしれません!
心配になりますね。
「家族は大丈夫なのだろうか」
そんな悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか?
何もしなければどんどん進行していく認知症ですが、運動を継続していくことで進行を抑制させることにも繋がります。
少しずつでも、運動を実施してあげることをおすすめします!
認知症からくる意欲と筋力低下を運動で抑制する
実際に認知症の進行を食い止めるためには運動という選択肢があります。
今やいろんな機関で臨床されていますが、WHO(世界保健機関)も2019ガイドラインを発表し運動を推奨しています。
もちろん運動することでピタッと治るわけではないですし個人差はありますが、それでも体を鍛えたりストレッチしたりなどの運動は、一定の予防効果があるのは間違いはなさそうです。
実際にお客様のトレーニングを参考に説明します!
当時は70代後半でトレーニングをやり始め、なかなか運動に対して意欲が出ない状態からのスタートでした!
ゆる太に課せられた使命は、意欲がない人への運動をどう実施させるかです!
まずは運動のやり方や正しく正確にの部分を二の次にして、いろんな運動を試してみました。
ウオーキング・筋トレ・ストレッチ、などを実施しこれを3つのカテゴリーに分けてみました!
できる・なんとかできる・できない
できる➩ウォーキング
なんとかできる➩立位ストレッチ
できない➩負荷の高い筋トレ
どうやら ”できる”と”なんとかできる” 辺りの運動が意欲を引き出すための運動になることが分かりました。
ここから正しく正確に行えるように指導していきます。
またウォーキングを別の酸素運動に変えてみたり、ダイナミックストレッチを入れてみたりなど、運動の種類を変えながら飽きさせずにおこなうと、一定の意欲を維持しながら運動を継続することができます。
さらに強い負荷ではないですが運動を実施できているので、同時に筋力低下を抑制させる効果も期待されます。
3つのカテゴリーに分けるのは結構おすすめで、まずはできることから初めて、運動に慣れてきたら次のステップにチャレンジする方が精神的にも良さそうです。
できないことを強要しても運動が嫌になるだけですからね。
認知症でも意欲が出てくると積極的に運動する
実際に指導している認知症のお客様は、5年ほどトレーニングを行っています。
今も強い負荷をかけたトレーニングは出来ていないので、決して筋力が増えたとはいえませんし認知症の特徴でもある物忘れがあり、やはり運動したことを忘れてしまう傾向もあります。
ただ、少し変化が!
長く継続してきた運動に自信がついたのか、距離は短いですが一人でも外出してウオーキングするようになったこと!!
最初、この話をご家族から教えてもらったときは正直、嬉しかったですね!
本人にも直接「なんで外を歩いているのか」を聞いてみたのですが、
「いつも歩いてるから」
と言葉は少ないですが返ってきました。
習慣化した瞬間を見た感じです!
それぞれにあった運動をおこなう事で意欲を引き出し、積極的な運動で体も元気になる、少し前向きに生きるきっかけが作れるのではと思います!
もちろん認知症の方が全員、積極的に運動を始められるわけではないですが、運動をする価値は大いにありますので、簡単なことから始められると良いですね。
まとめ
今回は指導している認知症のお客様を例として説明しましたが、実際は人それぞれタイプが違い、なかなかうまくいかないこともあります!
なかには、噛んだり、爪で引っ掻いたり、つねってきたり、などちょっと高圧的な方もいますが、相手を見極めながら必要ことを与えてあげることで穏やかになり、良い関係性ができたりもします。この話はまた今度、説明しますね!
基本的にこれが正解というのはないので、良さそうなことを試してみて判断していけると良いと思います。その際、怪我だけには気をつけて安全を確保してからお試しください。
今回のポイントは
○ 意欲低下で生活動作が減少する
○ “できる・なんとかできる” 運動から始める
○ 認知症でも運動は習慣化する
以上、ご参考に